『RENT』の光



5〜6月は季節の変わり目といいますか、体が自然界のスピードにちょっと追いついていかない感じですね。


どんな一ヶ月でしたでしょうか?


新年度や新学期、新しい環境に早く適応しようと心も体も頑張って、そろそろお疲れが出てくる頃ですよねぇ。。

新緑のとても爽やかな風が吹く気持ちの良い日には、嗚呼こんな日がもっと続けばいいのになぁと思ってしまいます。笑


私は、大好きなブロードウェイ・ミュージカルの初日公演を観に行きました!


『RENT』


大好きという単純な言葉では表せない、もう私のライフワークのひとつと言いますか、来日公演も日本人キャスト版も毎公演観に行くことが当たり前になっており、私にとっては禊(笑)のような、原点回帰するような、そんな大切な作品です。

私の人生の20代後半からは常にRENTのメッセージや楽曲と共に伴走しているような気持ちがあります。

本当に、本来の私を取り戻せた/私の命を救ってくれたものなんですよね。


私とRENTとの出会いは2008年夏。

ネイルサロンで毎日必死に働きながら無理なダイエットを続けていて、顔は笑っていても、心身は疲弊していました。

夏休みは海がきれいなリラックスできるような海外に行きたいな、、と漠然と思っていた頃。


元タカラジェンヌさんのお客様が、まだフライトなどの予約をしていないのなら、「絶対にNYでこのミュージカルを観た方がいい!」と、12年間のロングラン公演が閉幕する直前の RENTというブロードウェイ作品を教えてくれました。


それまで、映画版(ミュージカルを基に映画作品にもなっています)も観たことがなく、どんなストーリーかも知らないし、NYにも何度か旅行で行ったこともあったので、シティではなくてどこか静かな誰も知らないような島に行きたい気分だったのが、その方の熱量というか強いメッセージになぜだか、「これは観に行った方がいいのかも、、」と心が動き、その夏は急遽NYへ行くことに。


この行き先変更をしていなかったら、今頃どうなっていたかな?と思います。


登場人物が多くて複雑だから、DVDで映画版を観て予習してから観劇した方が良いと勧められ、DVDを借りたけど、余裕がなく結局ほぼ観れないまま飛び、予備知識なく劇場へ。笑


約3時間後、人生観が一変していました。


何か見ないようにしていたこと、誤魔化してきたこと、色々覆い隠していたものが粉々になってしまって、自分の本当の気持ちが露わになってしまった、みたいな。


「私、すごく無理してた」

「自分じゃなくなってたんだ」

「あぁ、私はあそこで働くのがとても辛いんだ」

「帰り道、いつも車に轢かれたいと思って歩いてた」


など、、気付いてしまった。


心や魂が抜けた状態で、体だけを動かして働いていたこと。


オーナーを尊敬していたし、入社させてもらったこと・素敵な環境で働けることにも感謝していて、先輩たち・同僚のことも好きだった、けど、いつの間にか私は私ではなくなっていて、辛いとかそういうことも麻痺して分からない状態になっていた。。


ネタバレになるのは嫌なので、RENTのストーリーは詳しくは書きませんが、1989年のNYが舞台の若者たちの様々な葛藤、生と死、セクシャルマイノリティ、ドラッグやAIDSなどを題材にした群像劇です。

テーマは重いですが、強いメッセージ性のある楽曲がどれも素晴らしく、痛いほどに彼らが訴えかけてくる


"生きるとは何か"

"一度しかない人生"

"後悔するな!"

"過去も未来もない、あるのは今日という一日だけ"

"今を生きろ!"


という強烈なメッセージが、私の心にダイレクトに突き刺さり、隠していた本当の気持ちを目覚めさせました。


「このままじゃダメだ」と。


色んなことに気付いてしまったけど、義理や恩、縁を大切に生きている私は、そのままネイリストとしての修業を続け、数年後に円満に退職させていただこうと考えていました。

が、RENTを観た約3ヶ月後、ある日突然解雇となり、人生で一番の闇時代に入ります。。。


後から、信頼していた人が黒幕でずっと騙されていたこと、その人のありもしない作り話の方を信じられ、私には何も聞いてもらえず一方的に解雇となった経緯を知り、人生に、人間に絶望、人間不信となり、、死のうと思いました。

悲しみが怒りや恨みにもなり、自分の尊厳や潔白を証明するために遺書を書きました。

本当に死のうと思い準備をしたので、自死を選択する方、その直前の状態がよくわかります。

もう家族や周りのこと、後のことなど考えられる状態にはないのです。

心と体がバラバラで、魂も抜けきっているから、本来ならば怖くてできないことができてしまう。。


その闇の渦中、RENTを教えてくださった元ジェンヌさんがご自分の夢であった日本版RENTに出演される初日を迎えました。

到底劇場まで行ける状態になく、とにかくいつ決行(自殺)するかという瀬戸際でしたが、わざわざチケットを取っていただいているのに、、と自分の義理堅さがギリギリ勝り(笑)、どうにか劇場へ。


真っ暗闇のトンネルの中でただただ動けずにいた私に、舞台上から放たれる鮮烈な光とエネルギーは私の中のドロドロを溶かし、浄化してくれた。

輝いているキャスト、特にお客様で仲良くしていただいていたその方の夢を叶えた瞬間に立ち会えたこと、その眩しすぎる光やエネルギーが私を救ってくれました。

失業中で時間があったので(笑)、何回も何回も当日券を買って観に行きました。

その度に、私をどん底から少しずつ少しずつ引き上げてくれた。


人間、本気で自ら死のうとしたら、誰にも言わないし、悟られまいとします、一人静かに実行します。

私も親や友達にも何も言わなかった、言えなかった。。

申し訳ないけど、もう生きていけない、平気で嘘をついて人を陥れる人間のいるこんな汚い世界ではもう無理だと思った、その人だけじゃなく、みんな嘘つきなのかもしれないと、完全に人間不信に陥っていました。


絶望/失望の中、自分の闇に負ける寸前の私をRENTが闇から光の方へ引っ張り上げてくれたのです。

だから、私にとってはただのミュージカル作品でなく、2008年のブロードウェイRENTが私の人生を大きく変え、年末の日本版が命を救ってくれた、、かけがえのないものです。


そして、私の命の恩人と言っていい、元タカラジェンヌさんは汐美真帆さんです。

今も舞台を中心にご活躍で、有難いことに15年以上お付き合いが続いており、先日久しぶりにお食事をご一緒して、改めて感謝をお伝えしました。

舞台人はもちろん、音楽や芸術、エンターテインメントに関わる全ての方達を心からリスペクトしています!

世界中、多くの方が日々助けられていますよね。


一曲や一節、誰かの一言で人生が変わることもある。


救ってもらったこの命を、私のエネルギーを周りに還元していきます。

私は舞台からでなく、セラピストとして目の前の方へ。


...もう十分長くて暑苦しいですが、RENTに関しての話は一晩あっても足りません。笑

世界中に私と同じ熱量のRENT-headという熱狂的ファンがいて、彼らもきっと人生のどこかで救われたのだと思います。


伝説的エピソードとして、原作者のJonathan Larsonの公演初日の突然死がありますが、"余裕のない学生や若者、誰にでも平等に舞台を楽しんでほしい"という彼の意志を継ぎ、世界中で公演されている客席の最前列はいつも特別席(エンジェルシート)として格安の当日抽選券になっています。


2009年夏、初演・映画版オリジナルキャストの来日公演時には、私はその10席/320人くらいの10番目を見事に当て(Miracle!!!)、一生忘れられない最高の時間を過ごしましたし("生きてて本当に良かった!"と心底思いましたよ)、別日に劇場の隣のビルのトイレに並んでいたところ(笑)、突然の解雇で、ご挨拶もできず会えなくなってしまったお客様の一人と再会したりと(今はお友達になったそのお客様は私が施術中にしたRENT話を覚えていてくださって、その日観劇に来ていたのです!)、とにかくRENTには様々な思い出が。。NYで一定期間復活した時も含め、40回くらいは観てるかも?!笑

私がこんな熱量で布教活動(笑)をしたので、周りの友人たちもかなり観てくれ、結婚式の曲に使うカップルが何組も♪


"あの時に一度死んだようなものだ、人生は一度きり!"と、2011年29歳で思い切って渡米できたのも、RENTのおかげですね。

留学経験のあった汐美さんに、語学学校やNY在住のお友達も紹介してもらって、今の私があります。

約2年半のNY生活での沢山の出逢いと経験が、玉ねぎの皮を剥くように"本来の私"に近付けてくれました。


もうお腹いっぱいですね?笑笑


とりあえず、YouTubeで「Seasons of love」を一度聴いてください。笑

機会があれば、ミュージカル公演/映画版も是非!


いや、RENTでなくても、誰かが薦めてくれた映画やドラマ、本、一曲など、是非試してみてください。

きっと今のあなたに必要だから、それは誰かや何かを介してもたらされる。


私は2008年夏にブロードウェイRENTを観に行かなかったら、自分を見失って心が壊れたままで、どうなっていたかわかりません。。

思ってもみなかった急展開を迎え、大嘘つきを恨んだりもしましたが、誰に何を吹き込まれても私を信じてもらえていなかったという結果だし、世間知らずで未熟だった自分のせいでもあり、沢山のことを学び、今は全てに感謝しています。

このプロセスがなければ、今セラピストにはなっていないでしょう。


人生を諦めて死のうとしたことがあって、でも約14年かけてここまで来れたからこそ、目の前の方が今絶望の中にいて"死にたい"と言っても、私はその方の魂のプロセスとレジリエンスを信じて、寄り添うことができます。

その境地に至るまでの過程、どんなことがあったのか、聞かせてほしいです。


まずは、自分の心の声を聴いてあげてください。

ご自分のハートとしっかり繋がっている感覚がありますか?


もし聴き方や繋がる感覚がわからなければ、カウンセリングをお試しくださいね。


ゆっくり、ゆっくりでいいですから、どうか諦めないでください。

今生を、その命を、手放さないでください。

季節が自然と巡るように、私たちの心身や状況も移り変わります。


堪え忍ぶ中で、何かしらの救い、光の一筋が一人一人に差す時ってあるのではないでしょうか。

私にとっては、それが『RENT』でした。


「How do you measure, measure a year?」


一年=525,600分を何で数えるか?どうやって計るか?


できれば、涙や怒りでなく、愛や笑った数で数えていきたいですね。


NO DAY BUT TODAY!